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演題詳細

P-005:
クーラントおよび廃油含有廃水からのメタンの回収
○山田 知加1, 加来 伸夫1, 菅原 弘紀2, 上木 厚子1, 上木 勝司1 1山形大・農, 2山自販RC
 [はじめに]自動車エンジンの冷却装置内を循環するクーラントは、有毒なエチレングリコールを主成分としており、交換や廃車の際に大量に廃棄処理されている。また、自動車の整備・解体施設では、漏れた廃油の混入した廃水が大量に発生しており、その処理が問題となっている。本研究では、クーラントや廃油混入廃水をメタン発酵処理することで、エネルギーとして利用可能なメタンを回収できないか検討した。
 [材料と方法]メタン発酵のための微生物源として都市下水汚泥嫌気消化槽から採取した汚泥を用いた。試験管中で汚泥5 mLと嫌気的滅菌水(N2を通気してO2を追い出した滅菌蒸留水)5 mLを混合してスラリー試料を調製し、嫌気的に30℃で保温した。この時にエチレングリコール試薬またはクーラントを様々な濃度で添加してメタン生成量への影響を比較した。廃油混入廃水のメタン発酵試験は以下の手順で行った。まず、4 mLの汚泥に対して0.1、0.2、0.5、2または5 mLの廃油混入廃水を加え、嫌気的滅菌水で10 mLとした。これを嫌気的に30℃で保温してメタン生成量を比較した。メタン生成量と揮発性脂肪酸の濃度は、TCDおよびFID検出器を備えたガスクロマトグラフでそれぞれ測定した。
 [結果]エチレングリコール濃度が0.1、0.2、0.5、1、5、10および20% (v/v)となるようにエチレングリコール試薬またはクーラントをスラリー試料に添加して30℃で保温したところ、0.1%添加試料と0.2%添加試料では添加量に応じて無添加よりも多くのメタンが生成されたが、0.5~5%添加試料では酢酸塩が蓄積してpHが大幅に低下したためメタン生成が抑制された。また、10%および20%添加試料ではメタン生成と酢酸生成はほぼ完全に阻害された。これらのことから、メタン発酵におけるエチレングリコールの適正濃度は0.2%程度以下と考えられた。オイル混入廃水を汚泥に添加すると、無添加の場合よりも多くのメタンが生成され、50%添加でもメタン生成は阻害されないことが分かった。
 以上の結果から、メタン発酵によりエチレングリコールおよび廃油含有廃水からメタンを得るための基礎的な情報が得られた。PCR-DGGE解析により各保温試料中の微生物群集構造解析を行った結果についても報告する予定である。
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