Imgheader01

第31回大会ホームページへ

演題詳細

P-125:
「惑星居住科学」における宇宙環境微生物学研究
○山口 進康 大阪府立公衛研 nyyamaguchi@iph.pref.osaka.jp
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙科学研究所の宇宙環境利用専門委員会においては、宇宙環境利用における今後の重要な研究テーマとして「惑星居住科学」を挙げている。この「惑星居住科学」には、低圧下での燃焼や惑星・衛星での水の確保などの物理学・化学テーマと、宇宙放射線の生物影響や宇宙農業などの生物学・工学テーマが含まれる。なかでも、宇宙農業は今後の長期有人宇宙活動における食料の確保のために重視されており、宇宙居住システム内で植物を栽培するための装置が考案されてきている。 このような背景のもと、環境微生物学分野のテーマとして、宇宙植物栽培制御システムにおける微生物の動態解析、すなわちシステム内での微生物の増減とヒトや居住環境への影響の解析や、宇宙植物栽培における有用微生物の利用、さらに栽培養液中の有害微生物および有用微生物のreal time on-site モニタリングなどに関する研究が始められようとしている。また、微生物の遺伝子発現や遺伝子伝播、バイオフィルム形成などに対する微小重力および宇宙放射線の影響評価についても明らかにしておく必要があると考えられる。 そこで本発表では、学会に参加をされている多くの方々と「惑星居住科学」における環境微生物学(宇宙環境微生物学)の意義や今後進めるべき研究テーマに関して議論し、本研究分野の裾野を拡げるためのきっかけにしたいと考えている。
PDF