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活性汚泥内に存在するCandidate division細菌群のFISH法を用いた可視化
○西村 恭平1, 金田一 智規1, 大橋 晶良1, 尾崎 則篤1, 青井 義輝2
1広島大・院工, 2広島大・サステナセンター
【目的】広島県のある下水処理場の活性汚泥に対して次世代シーケンサーによる微生物群集構造解析を行ったところ、Canididate division細菌群が数種類、一定量存在することが明らかになった。そこで本研究では上記下水処理場の活性汚泥内で存在割合が比較的高かったCandidate division SR1、OD1、BD1-5に着目して、詳細な系統分類、subdivisionの提案、新たに設計したFISHによる活性汚泥内in situの可視化を行い、他の細菌との共存関係を明らかにすることを目的とする。【方法】着目した3つの細菌群に対して、16S rRNA遺伝子の増幅、クローニング、系統樹の作成を行った。その後ARBソフトを用いてFISHプローブの設計を行った。設計できたそれぞれのFISHプローブに対して、clone-FISH法を用いて最適ホルムアミド濃度を算出した。最適ホルムアミド濃度で活性汚泥のFISH観察を行い、プローブの検出範囲に応じて二重染色を行った。【結果】SR1とBD1-5の細菌群は、他の活性汚泥から検出されたクローンとその近縁種を網羅するようなFISHプローブを設計できた。SR1門はいくつかのプローブの候補のうちアクセシビリティが高く、ハイブリタイゼーション効率が1に近く、推定ホルムアミド濃度も20%前後でカバー率も100%に近い値となったSR-929、SR-393プローブを用いることで、活性汚泥の中のSR1細菌群を可視化できた。BD1-5門も同様に、BD-686、BD-95の二つのプローブを用いることで活性汚泥内のBD1-5を可視化することに成功した。【展望】それぞれの細菌群に特異的なFISHプローブを用いてMAR ?FISH法を行い、基質利用特性を把握し、集積培養を行う。