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演題詳細

P-049:
Bradyrhizobium sp. RD5-C2においてクロロフェノキシ酢酸類の分解を担う遺伝子の同定
○田中 翔, 林 昌平, 巣山 弘介, 井藤 和人 島根大・院生資 a169804@matsu.shimane-u.ac.jp
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)は除草剤として、4-クロロフェノキシ酢酸(4-CPAA)は植物成長調整剤として知られている人工化合物である。現在までにこれらの人工化合物を分解する多様な細菌が単離・同定されている。Bradyrhizobium sp. RD5-C2は、クロロフェノキシ酢酸類が散布されたことのない島根大学の土壌から単離されたにも関わらず、この化合物を分解することができる。また、ゲノム解析によって、RD5-C2におけるクロロフェノキシ酢酸類の分解を担う候補遺伝子として、cad1 cluster(cad1RABKC)、cad2 cluster(cad2RABCK)、tfdAαをもつことが明らかになった。そこで、本研究ではクロロフェノキシ酢酸類の分解酵素をコードするcad1Acad2AtfdAαを欠損させたRD5-C2の遺伝子欠損株のクロロフェノキシ酢酸類の分解能を調査することで、RD5-C2においてどの遺伝子がどの程度の割合でクロロフェノキシ酢酸類の分解を担うのかを明らかにする。cad1A欠損株の2,4-D分解能は野生株のそれと比べて著しく低下した。cad2A欠損株とtfdAα欠損株は野生株と同様に2,4-Dを分解した。cad2A欠損株と野生株の2,4-D分解能には差が見られなかったが、cad1Acad2A欠損株の分解能はcad1A欠損株のそれと比べて低下した。cad1Acad2A欠損株は2,4-Dを全く分解しなかった。これらの結果から、RD5-C2において、cad1 clusterとcad2 clusterが2,4-Dを分解しており、主にcad1 clusterがその分解を担っていることが示唆された。cad1A欠損株の4-CPAA分解能は野生株と比べて低下したが、2,4-Dの場合ほど顕著ではなかった。cad2A欠損株とtfdAα欠損株は野生株と同様に4-CPAAを分解した。cad2A欠損株と野生株の4-CPAA分解能には差が見られなかったが、cad1Acad2A欠損株の4-CPAA分解能はcad1A欠損株のそれと比べて低下した。しかし、cad1Acad2A欠損株の4-CPAA分解能は残っていた。また、cad1Acad2A欠損株とcad1Acad2AtfdAα欠損株の4-CPAA分解能には差が見られなかった。これらの結果から、RD5-C2において、cad1 clusterとcad2 clusterおよび、tfdAα以外の未知の遺伝子が4-CPAAを分解しており、cad1 clusterがcad2 clusterより優位にその分解を担っていることが示唆された。
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