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演題詳細

P-097:
カレニア・シャットネラブルーム細菌分画のメタゲノム解析
○北村 徳一1, 池尾 一穂1, 石野 良純2, 田代 康介2, 久原 哲2, 増田 健3, 中村 洋路4, 安池 元重4, 藤原 篤志4, 長井 敏4, 小林 敬典5, 五條堀 孝1 1遺伝研, 2九大院・農, 3三重県水産研究所, 4水研セ中央水研, 5水研セ本部 nkitamura@nig.ac.jp
渦鞭毛藻類のカレニア属(Karenia)やラフィド藻類のシャットネラ属(Chattonella)による赤潮は、養殖魚類の大量斃死をもたらすことで知られており、近年では2009年と2010年に九州地方でシャットネラ赤潮の大規模発生が起き、大きな被害が生じた。我々は、これら有害赤潮の原因生物のブルームとその前後の細菌動態を明らかにすることを目的として、海水中の微生物DNAを抽出し、分類群及び遺伝子機能の存在量を調べた。2015年夏季の英虞湾において小規模なカレニア・シャットネラブルームを含む時系列のサンプル(2地点から週毎のサンプリングを8回、計16サンプル)が得られた。これらの採水サンプルは8、1、0.2μmフィルターでろ過され、捕捉した試料からDNAを抽出した。主に自由生活性の細菌が捕捉された0.2μm フィルター試料を対象に、Illumina Miseqによるショットガンシーケンスを行った。得られたリードはNCBI-NRデータベースに対して相同性検索を行い、アノテーションを付与した。ブルームの有無、及び採水地点に基づいたサンプル間の比較を行ったところ、それぞれ細菌群集の構成に違いが生じていることが判明した。一方、遺伝子機能については、ブルームの有無に基づいたサンプル間に相対量の違いは生じていないが、採水地点に基づいた比較では違いが存在していることが示された。これら植物プランクトンのブルームと細菌群集の動態との関連について議論する。
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