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水素生成型一酸化炭素資化性好熱菌の分離およびゲノム解析
沖縄トラフ伊平屋北熱水活動域(水深約1,000 m)には、好気性メタン酸化細菌を共生させている甲殻類ゴエモンコシオリエビや二枚貝シンカイヒバリガイ類が生息している。これら深海生物の群集はメタン湧出地点を示す目印となる。そこでこれらの群集近傍4カ所に約2ヶ月間、現場微生物捕集器(in situ colonization system; ISCS)を設置した。回収後、ISCSを接種源として、3つの温度帯で好気性メタン酸化細菌を標的とした連続培養を開始した。現在3つの温度帯で、複数のMethylococcales目細菌を含む集積培養系を維持している。培養装置内に形成された微生物マットの群集構造解析からは、群集全体の10-20%がMethylococcales目細菌であるとの結果を得ている。集積培養系からの好気性メタン酸化細菌の単離は、微生物マットを接種源として随時試みており、現在までにMethylothermaceae科Methylomarinovum属の新種に相当する株を単離した。Methylomarinovum属については現在のところ、浅海の熱水活動域(水深23 m)より単離されたM. caldicuralii 1種1株が報告されているのみであるが、本研究により深海熱水活動域にも生息することが明らかとなった。