Imgheader01

第31回大会ホームページへ

演題詳細

P-176:
Bacillus属細菌による金属腐食の解析
○山本 達也, 野村 暢彦 筑波大・生命環境
微生物による金属腐食による経済的損失は年間30から50億ドルにもなると報告されており、重大な問題となっている。微生物金属腐食の原因としてメタン生成細菌や硫黄酸化細菌、硫黄塩還元細菌が主要な要因であると報告されているが、それらの細菌が存在しない場合にも腐食が見られており、未だ微生物腐食には不明な点が多い。本研究では土壌中に多く存在するBacillus属細菌について金属腐食を引き起こすか解析した。Bacillus属細菌を合成培地、合成培地から鉄成分を除いた培地及びその培地にステンレス片を入れた培地に植菌し、24 wellプレートにて培養した。その結果、合成培地ではペリクル型のバイオフィルムを形成していたのに対し、鉄成分を除いた培地ではバイオフィルム形成は見られなかった。一方、ステンレス片を加えたものでは合成培地以上にバイオフィルムを形成していた。また、培地にステンレス片のみを加え、2日静置し、培地のみを回収し、その培地を用いて培養したところ、バイオフィルム形成は見られなかったことから、Bacillus属細菌はステンレスから積極的に鉄を獲得し増殖していることが示唆された。また、合成培地の鉄濃度を変化させたところ、鉄濃度が増加するほどバイオフィルム量が増加していたことから、Bacillus属細菌は通常の合成培地に添加している鉄濃度以上にステンレスから鉄を獲得していると考えられた。金属腐食が起きているか共焦点レーザー顕微鏡を用いて、解析したところ、植菌していないステンレス片では腐食が見られなかった一方、植菌したものでは腐食が観察された。以上のことから、土壌に普遍的に存在するBacillus属細菌においても金属腐食が生じることが示された。
PDF